よく噛むのがいーぜ!

こんにちは。春山です。

 

歯および、お口の状態を考えるうえで大切なのが噛めているかどうか。

噛み応えのある食べ物をしっかりとよく噛んで食べることを意識してください。

大人の方はもちろんお子さんがいるご家庭では食事の際によく噛めているか確認してあげてください。

 

今回はお口の健康のために理想的な咀嚼回数とよく噛んで食べることの意味を考えてみましょう。

目次

理想の咀嚼回数は?

 

厚生労働省では一口につき30回噛むことを推奨しています。

 

参考

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0326-10m-013.pdf

 

片側だけで噛むのではなく、右側で10回、左側で10回、両方で10回ずつ計30回が理想です。

 

 

よく噛むことで得られる効果

よく噛んで食べられる歯を維持すると、どのような効果が得られるのでしょうか。その効果はそれぞれの頭文字を取って「ひみこのはがいーぜ」と呼ばれます。

 

ここからはそれぞれについて見ていきましょう。

 

 

  • 「ひ」:肥満の予防

ゆっくりよく噛んで食べると、満腹中枢を刺激しやすくなり食べ過ぎを防ぐとともに太ることを防ぎます。

 

  • 「み」:味覚の発達

食べ物の形・固さがわかる味がよくわかる味覚が発達しやすい。などの効果が期待できます。

 

  • 「こ」:言葉の発達

よく噛むことで口周辺の筋肉やアゴが発達。表情が豊かになる、発音がきれいになるなどの効果が見込めるでしょう。

 

  • 「の」:脳の発達

よく噛むことで期待できるのが、脳への血流促進です。子どもであれば脳の発達、大人は物忘れの防止が期待できます。

 

  • 「は」:歯科疾患の予防

よく噛むと唾液が出ます。唾液には食べカスや細菌を洗い流す効果があるので、虫歯や歯肉炎・歯周病を予防する効果が期待できるでしょう。

 

  • 「が」:ガンの予防

唾液に含まれるペルオキシダーセという酵素が食品から出る発ガン性物質を抑えることで、ガンの予防につながります。

 

  • 「いー」:胃腸の働き促進

よく噛んで食べることで食べ物は消化されやすくなり、胃腸の負担を和らげるとともに働きが促進されます。

 

  • 「ぜ」:全身の働き

身体の活動が活発になることで、毎日元気に過ごせるでしょう。

 

ということで、健康にも良いのでよく噛んで食事をしていきましょう。

 

歯の本数と肥満の不都合な関連

 

 

お口の状態について全身の病気に関連していることが数々の研究でわかっています。病名を挙げると糖尿病などの生活習慣病、心血管・脳血管疾患など。

 

一方、多くの人が気になりやすい肥満についても、糖尿病はもちろんのこと高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、腎臓病、ガンなどの重要なリスク因子です。また、肥満傾向にある人は歯の本数が少なくなりやすいです。これはサンスターと滋賀医科大学の研究グループの共同研究で明らかになっています。

 

 

そこで、この研究結果からわかる失いやすい歯の部位とリスク要因について見ていきましょう。

 

参考

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000367.000005120.html

 

現時点で歯の状態が良好な人も将来起こり得るリスクとしてお読みください。

 

 

研究で行われた比較

 

  • BMI値を下記の4段階に分類

 

・18.5以下(低体重)

・18.5~24.9(普通体重)

・25.0~30.0(肥満1度)

・30.0以上(肥満2~4度)

 

ここから25.0以上を肥満、25.0未満を非肥満者として現在歯数と各部位の保有率を計算しました。

 

 

各年代ごとの現在歯数

 

20代・30代・40代・50代・60代・70代(70~74歳)にわけ、BMI値ごとに現在歯数を比較。40代以上の各年代でBMI値が高いほど歯の本数が少なくなっています。歯を失う原因でもっとも多いのは歯周病で、一般的には50代から歯を失う確率が高くなるのが一般的です。

 

しかし、BMI25以上の肥満者であれば50代よりも若い段階で歯を失いはじめます。

 

 

肥満と部位別の保有者率

 

非肥満者と肥満者を比較すると、30~60代のいずれにおいても奥歯(大臼歯)と前歯(上顎中切歯)の保有者率に明確な差が見られます。

 

また、上顎の多くの歯では40代以上で非肥満者と肥満者間で保有者率に明確な差があるという結果でした。特に下顎の大臼歯(奥歯)は肥満者の多くが失いやすい部位となっていました。その他、肥満者かつ喫煙者であればさらに失いやすい歯の部位が増えます。

奥歯以外の歯を失う結果になりやすいことが明らかです。

 

歯を失わないために、日頃の歯磨きはもちろんのことバランスの良い食事で太り過ぎを防ぎましょう。

 

早食いの人必見!肥満と歯周病

 

肥満と歯周病は相互に関連しています。

よく噛んで食べない場合肥満になりやすいことは成人の男女で明らかになっていました。しかし、子どもでも学童期に“早食い”などの食習慣がある場合成人期に肥満になりやすいという結果が出ています。

 

 

参考

よく噛めない子どもは肥満になりやすい!

 

 

今回は歯の健康と肥満の関係について見ていきましょう。

 

肥満と歯科疾患の関係

歯科疾患と肥満は特に歯周病との相互関連が指摘されています。

具体的に書くと、下記のとおりです。

 

  • 肥満→歯周病

・炎症性サイトカイン(TNF-α)が作られる

・体内の炎症状態が常態化

・全身の炎症が悪化

・歯周病が重症化する

 

  • 歯周病→肥満

・血液中に歯周病菌が入る

・血管に歯周病菌が感染

・血管壁に炎症が起き、血管が狭まる

・動脈硬化が促進される

 

炎症性サイトカインとは内臓脂肪中で作られる炎症性物質を指します。

この物質が血中を移動すると白血球などを刺激して動脈硬化や心筋梗塞のリスクが高まるわけです。

早食いと肥満

いわゆる「早食い」の人にBMI値の高い人が多いことが明らかになっています。食べる速さの自己評価を下記の5段階に分けます。

 

・かなり遅い

・やや遅い

・普通

・やや早い

・かなり早い

 

この自己評価とBMI値の関連を見たところ自己評価で早いと回答した人ほど

男女とも現状のBMI値が高いという結果が出ているのです。

 

 

肥満を解消するためには

効果的な肥満対策のひとつは、しっかりとよく噛んで食べること。

よく噛んで食べると、満腹中枢を刺激しやすくなるため、少量でも満腹感を得られます。

 

覚醒レベルや集中力・注意力の向上、内臓脂肪を燃やす効果もあるので、一口30回噛むこと、食事は20分かけることが理想的です。

 

歯が少ない人は義歯を作りましょう

天然歯が残っている人は今の歯を大切にしてください。ただ、残っている歯の本数が少ない場合はどうすればいいのかという疑問が出てくるでしょう。その場合は皆さんの口に合った義歯を作ってください。義歯があれば噛めるようになります。しっかりと噛める口を目指しましょう。

 

 

それでは!

あなたの歯がずっと健康でいられますように。

 

 

PS.

噛めなくなると硬い食品を避けるようになります。その結果、ビタミン・食物繊維などの摂取量が少なくなり、栄養バランスが崩れるわけです。よく噛んで食べられる口の源は健康な歯にあります。悪いところがある人は早急に治療を行いましょう。

 

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