恐らくあなたも歯周病です。
目次
あなたも歯周病? 4つの進行段階
こんにちは。春山です。
歯周病は、40代以降に多いと思われがちです。しかし若年層の罹患率の多さも指摘されています。
(参考)
15~24歳:20%
25~34歳:30%
出典:日本歯周病学会
https://www.perio.jp/nyankamuchu/
歯周病は誰でもかかる可能性がある病気です。現時点で指摘されていない方も知識として持っておいて損はないでしょう。
歯周病とは?
歯周病は下記の2つを合わせた総称です。
- 歯肉炎
- 歯周炎
日本人が歯を失う原因の第1位(37%)としても知られています。
厚生労働省の調査では全体で47.9%の人が中等度の相当する4ミリ以上の歯周ポケットを持っていたという結果が出ています。
参考:令和4年歯科疾患実態調査
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33814.html
治療費の目安
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STAGE 1:
約3~4,000円(保険適用)
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STAGE 2:
約5,000~10,000円(保険適用)
約1~5万円(自由診療)
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STAGE 3
約10,000~15,000円(保険適用)
約5~50万円(自由診療)
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STAGE 4
約15,000~20,000円(保険適用)
約20万円~(自由診療)
※症状・治療方針によって変わります。
歯周病の進行度合い
歯周病はガンと同じく「STAGE(1~4)」の4段階で表されます。
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STAGE 1:歯肉炎
歯周ポケット:1~3ミリ程度
歯肉(歯ぐき)に炎症が発生した状態を指します。
主な症状
・歯ぐきの赤みや腫れ
・歯磨き時の出血
・口臭
この段階だと歯槽骨には影響がありません。
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STAGE 2:軽度歯周炎
歯周ポケット:3~4ミリ程度
この段階までであれば、継続的治療と適切な口腔ケアを受けることで進行も止められます。
主な症状
・歯ぐきのひどい赤みや腫れ
・歯ぐきからの出血が増加
・徐々に強くなる口臭
・歯と歯ぐき間のすき間ができる
・食べ物がつまりやすくなる
軽度とはいえ歯槽骨にも影響が出ています。注意してください。
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STAGE 3:中等度歯周炎
歯周ポケット:4~6ミリ程度
この段階で気づいて受診される方も多くいます。
この段階で出る症状
・歯ぐきの変色(赤黒い状態)
・歯が長く見える(歯ぐきが下がる)
・歯がグラグラする
・強い口臭
歯周外科治療が必要になる場合もあります。
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STAGE 4:重度歯周炎
歯周ポケット:6ミリ以上
重度になると、下記のような症状が出ます。
・歯ぐきが大きく下がる
・歯が大きく揺らぐ
・噛むだけで痛みを感じる
・歯と歯ぐきの間から膿が出る
・非常に強い口臭
歯周基本治療の他、歯周外科治療や歯周再生療法が必要です。歯槽骨が破壊されているため自然に歯が抜け落ちることもあります。鏡で歯ぐきの状態をチェックするなどして、症状が軽いうちに治療に取り組みましょう。また歯周病は、何よりも早期発見が大切です。治療を行う場合でも初期~軽度であれば治療もスムーズに進みます。自覚症状もあまりなく気づきにくい病気なので、歯科定期検診の活用をおすすめします。
歯周病3つの治療方法
完治が難しい歯周病。しかし治療・メンテナンスを怠らなければ進行を止められます。ここでは、歯周病の治療について見ていきましょう。
歯周病治療の流れ
歯周病治療は全部で3つあります。
- 歯周基本治療進行の程度に関係なく行われる治療です。
1.検査
歯と歯ぐきの間に器具を差し込み、歯周ポケットを測定します。
その他、下記について検査します。
・歯根(歯の根)の状態
・歯ぐきの出血
・悪化させる要因の有無
・歯の動揺
2.歯みがき指導と歯石除去
検査が終わったら歯みがき指導です。
・歯と歯の間
・歯と歯肉の境目
・奥歯など届きにくい部位
ブラシの毛先が当たりにくいところを中心にチェックします。歯ぐきが引き締まってきたら歯石除去です。
歯・根の表面などについた歯垢・歯石を取り除きます。
3.かみ合わせのチェック
歯垢・歯石を取りやすい環境を作るために行うのが詰め物・被せ物および咬み合わせのチェックです。適合しない被せ物や咬み合わせに影響のある歯を取り除きます。
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歯周外科治療
基本治療実施後の検査で、歯周ポケットの深さが改善されていなければ歯周外科治療を実施します。
・歯ぐきの切開
・歯周再生療法
ただし、歯周外科治療ができない場合もあります。
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メンテナンス
歯石除去などの口腔清掃をしっかり行うと、約8割の歯周病菌がいなくなります。しかし、0になることはなく残った歯周病菌は3~4ヶ月かけて元の状態に戻るのです。そのため、4ヶ月ごとの検診・チェックをおすすめしています。早期発見・治療であれば少ない治療回数で済むので、定期的なチェックを忘れないようにしましょう。
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セルフケア
歯科での歯周病治療と同じくらい大切なのが自宅でのセルフケア。セルフケアがおろそかだと、歯周病になるリスクも上がります。歯みがきが正しくできているかどうかのチェックも兼ねて定期検診してみてください。
歯周病のホントに怖い影響力
高齢者の健康寿命を短くする十大要因のひとつとしてWHOもあげているのが、虫歯・歯周病などの口腔疾患。特に歯周病は多くの全身疾患との関連が指摘されています。
歯周病と全身疾患の関連
研究によってさまざまな疾患との関連性が明らかになっています。
- 糖尿病
- 心疾患(狭心症・心筋梗塞など)
- 脳血管疾患(脳梗塞・脳卒中など)
- エコノミークラス症候群
- 認知症
- 呼吸器疾患 など
この中から、糖尿病・心疾患・脳血管疾患の3つに絞って紹介していきます。
歯周病が命に関わる理由
歯周病はいうまでもなく口の病気です。「なぜ全身疾患と結びつくの?」などのように思っている人も多いのではないでしょうか。たしかに全身疾患がどう結びつくのかイメージしにくいと思います。
その関連性を結びつけるキーワードは下記の2つ。
- 歯周病菌の原因菌
- 菌が生み出す毒素
歯周病菌が動脈硬化を悪化させる
歯周病が進行すると、歯肉周辺の血管から歯周病菌が血管内に入ります。
動脈硬化している血管に入ると、歯周病菌から出てくる内毒素や炎症性物質が作用。
血管内に「プラーク」と呼ばれる沈着物ができ、血液の通り道が狭くなります。
プラークが剥がれると血栓に
プラークが剥がれてできるのが、「血栓」と呼ばれる血の塊です。血栓によって血管が詰まり、下記の病気にかかるリスクが出てきます。
- 心臓(狭心症・心筋梗塞など)
- 脳血管(脳梗塞・脳卒中など)
- 肺(エコノミークラス症候群)
糖尿病とは相互に関連がある
「令和4年国民健康・栄養調査」では、糖尿病が疑われる人の割合が下記のとおりとなっています。
男性:18.1%
女性:9.1%
参考:令和4年国民健康・栄養調査
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001296359.pdf
令和元年と比べるとやや減少しているもののいずれも高い割合です。
歯周病が治療されていないと、作られた毒素の作用からインスリンの働きが悪くなり、糖尿病が悪化します。
しかし、適切な治療を行うと歯周病菌が減るため、インスリンの働きが改善して病状が改善されるのです。実際、適切な治療をすることで糖尿病の検査値が改善するという結果が出ています。
“体調管理の一環”として歯科の定期検診を取り入れるのはいかがでしょうか。歯が健康なら体にも良い影響がありますので。
それでは!あなたの歯がずっと健康でいられますように。
PS.
まとめると、歯周病に気をつけることで全身疾患の予防・改善につながります。病気の怖さは下記の2つです。
- 後遺症によるQOLの低下
- 命の危険にさらされる
歯周病の予防・改善に遅すぎることはありません。生活の質を上げるためにも、予防・改善に取り組みましょう。「定期検診・治療の予約をしたい」と思ったら、ご予約のお電話をどうぞ。電話に出たスタッフに「定期検診・治療の予約をしたい」などのようにお伝えいただき、来院日時を決めましょう!
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