歯と肥満の関係

こんにちは。

今回のテーマは「歯と肥満の関係」です。

 

特に指摘されていない人も知識として読み進めてみてください。

 

目次

肥満の定義・割合は?

 

日本肥満学会によると、肥満度は下記を基準として判定されます。

 

BMI 18.5未満:低体重

18.5~24.9:普通体重

25.0~29.9:肥満(1度)

30.0~34.9:肥満(2度)

35.0~39.9:肥満(3度)

40.0以上:肥満(4度)

 

参考

肥満度分類

http://www.jasso.or.jp/data/magazine/pdf/chart_A.pdf

 

厚生労働省によると、肥満1度以上(BMI25.0以上)の推計割合は下記のとおりです。

男性:33.0%

女性:22.3%

 

参考

令和元年国民健康・栄養調査

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/r1-houkoku_00002.html

 

 

肥満と歯の関係

 

滋賀医科大学とサンスターの共同研究によると、肥満度が高くなると下記のようなリスクが想定されます。

 

  • ・BMIが高いほど歯の本数が少ない
  • ・若い年代で歯を失いやすい
  • ・奥歯から抜けるリスクが高い
  • ・喫煙で全体の歯を失うリスクが高まる

 

 

BMIの数値と歯周病の相関関係で見ると、BMI(※)数値が20未満の歯周病リスクを1とした場合、数値が高くなるにつれてリスクも1.7~3.4倍上がります。

 

※BMI=体重(kg)÷(身長(m)の2乗)

 

体脂肪率・ウエスト/ヒップ比と歯周ポケットの関連性を調べた研究でも、数値が大きいほど“歯周ポケットも深い”という結果が出ています。

このことを見ても、肥満は要注意といえるでしょう。さらに年代別に詳しく見ていくと、どの年代でも下記部位について歯の保有者率に大きな差が見られました。

 

  • 上顎中切歯(前歯)
  • 上顎・下顎大臼歯(奥歯)

 

特に50代以上では上顎のほぼすべての歯で保有率の差が大きくなっています。

 

参考

肥満度と歯の喪失リスクに関する研究

https://www.sunstar.com/jp/newsroom/news/20220926/

 

 

歯周病菌の死骸が「内毒素」となり…、内毒素が血液中に入ると「TNF-α」という物質が分泌されます。この「TNF-α」が、大きく関わってくるのです。歯の状態はもちろんのこと、普段の食事にも気をつけましょう。

 

ちなみに肥満と歯科疾患は、大きな関連性があります。肥満の人には歯周病の人が多く、その逆も然りです。歯周病は痛みがないまま進行している事例も珍しくありません。

定期検診で状態をチェックして予防・改善に取り組みましょう。

 

虫歯と肥満の意外な関係

今回のテーマは「虫歯と肥満」です。虫歯・肥満になる可能性は誰にでもあります。指摘されていない方も知識として知っておくといいでしょう。

 

虫歯がある人の割合

 

厚生労働省の歯科疾患実態調査によると、虫歯がある人の割合は20代前半で約7割。20代後半以降では、8~9割の方に虫歯があります。

 

参考

令和4年 歯科疾患実態調査

https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf

 

 

虫歯を放置すると

虫歯を放置するとどんなリスクが起こるでしょうか。代表的なリスクには、下記があります。

 

  • 口内の痛み・炎症
  • 口臭
  • 歯の欠損
  • 全身疾患のリスク など

 

全身疾患の中では、脳梗塞・心筋梗塞・糖尿病や認知症との関連性が指摘されています。また、あまり知られていませんが“肥満”とも関連性があるのです。特に、奥歯(大臼歯・小臼歯)が1本抜けただけで噛む力が40%低下します。

 

 

虫歯が肥満に結びつく理由

虫歯を放置すると肥満につながる理由は大きく2つあります。

 

 

噛む機能に問題が出る

肥満につながる理由で、もっとも大きなものはしっかりと噛めなくなる点です。虫歯の進行とともに、冷たいもの・熱いものともしみるようになり、噛む回数も減ってきます。噛めていないために満腹感を得られなくなります。

 

なので、食べる量も増え肥満につながるのです。その他、痛くない方の歯で噛もうとすることで早食いのような状態になります。その結果として胃潰瘍や胃食道逆流症になるリスクも増えるでしょう。

 

 

ストレスの影響

歯の違和感によるストレスの影響も見逃せません。虫歯の影響を受けて味で満足できなくなると、高カロリーのものを多く食べようとする人もいます。血行の悪化や自律神経の乱れも影響として現れやすいので、注意してください。

 

虫歯を放置しても百害あって一利なしです。定期検診による早期発見・治療が求められます。治療後も日頃のケアが大切。ケア用品の相談も可能なので、定期検診・治療時に遠慮なくご相談ください。

 

 

知っておきたい虫歯・歯周病の治療方法

 

両方とも誰にでもなるリスクはあるので、知識として読み進めてみてください。

 

 

虫歯・歯周病は自然治癒しない

結論から書くと、虫歯・歯周病ともに自然治癒しない疾患です。その理由は2つあります。

 

1、免疫能力・再生能力がない

歯には歯髄以外に血流がありません。そのため、免疫能力・再生能力ともになく、自然治癒できないのです。

 

 

2、細菌感染症だから

虫歯は原因となる細菌が歯質に感染することで起こる病気です。治療するには、該当する部位を削らなければなりません。歯周病は表面の歯垢や歯石についた歯周病菌が歯ぐきに感染することで起こります。「歯周病菌がなくなれば」と思う人もいるでしょう。

しかし、一度歯周病菌がついたら根本原因となる歯垢・歯石のない状態を自分で作ることは不可能です。そのため、虫歯・歯周病はしっかり治療しなければ症状の改善も見られません。

 

 

虫歯の治療方法

虫歯の治療は、その進行具合によります。

  • 軽度の場合

軽度の場合は、欠けた部分の修復を行い詰め物や被せ物で歯の形態・機能を回復します。

 

  • 深い虫歯(C3)の場合

神経にまで達した場合は、歯の神経を取ります(抜髄)。すでに根の中を治療していても、細菌が繁殖することで根の先に再発するケースがあります。その場合は、根の中を消毒します(感染根管治療)。消毒が完了したら、場合によっては土台を入れるなどの処置をして被せ物で歯の形態・機能を回復させるのが一般的です。

 

 

歯周病の治療

基本治療として、根本的な原因となる歯垢・歯石を取り除く治療を行います。基本治療で改善できない場合は、歯周外科治療などを実施。定期的に清掃と検査を行うのが一般的です。歯周ポケットが改善されたらメンテナンスを行います。ぜひプロフェッショナルケアとセルフケアを取り入れて、状態の改善を目指しましょう。

 

 

 

 

それでは!あなたの歯がずっと健康でいられますように。

 

 

PS.

私たちの歯は、「歯槽骨」という骨に支えられています。歯周病はその骨が脆くなることで起こる病気です。虫歯は歯そのものが傷んでいます。そのため、同時に発生した場合は歯周病の治療を優先するのが一般的です。

 

ただ、どちらを優先するかは、治療・検診時の状態で判断します。痛みが強い場合などは虫歯治療が優先です。放置してもいいことは何もないので、違和感の有無に関係なく受診しましょう。

 

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