マスクと噛み合わせの関係

目次

マスク装着時の口呼吸の影響

コロナ禍において私たちはマスク着用が当たり前の日常を過ごしてきました。

今年の3月13日以降は個人の判断が基本へと変化。

 

出典:

マスクの着用について(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kansentaisaku_00001.html

 

現在では、マスクを外している人も徐々に増えてきているようです。

 

さて、5月31日の読売新聞にてちょっと気になる記事がありました。

それは、北海道滝川市の調査において…3才児検診にて咬み合わせが悪い(不正咬合)と診断された幼児の人数・割合が、コロナ禍以前と比べて約3倍増加したというもの。

 

出典:

読売新聞記事(2023年5月31日)

https://www.yomiuri.co.jp/medical/20230531-OYT1T50110/

 

記事よりコロナ禍以前の2018年とコロナ禍だった2021年の数字を比較してみましょう。

 

【不正咬合の人数・割合】

2018年 242人中28人(11.6%)

2021年 221人中72人(32.6%)

 

※出典の記事より引用。

 

 

人数・割合とも約2.6倍増加しているので、有意的な差があるといえるでしょう。

滝川市役所健康づくり課に所属する歯科衛生士の見解として、「マスク着用の息苦しさにより口呼吸になった。その結果として口を閉じる筋力が落ちた」と紹介されています。

 

マスク着用で口呼吸になったというのはよく聞く話です。

また、口呼吸が続くと口周りの筋力が落ちるというのも十分にありえます。

 

 

ちなみに、口周りの問題は大人にも同じような傾向が見られるようです。口腔環境の変化について大人がどう感じているか考察します。まずは3月13日以降におけるマスク着用の意識です。まだまだ感染対策などでマスクをしている人が多いのが実情です。その一方で、マスクを外している人も増えつつあります。

 

TPOに応じて外している人と常にしていない人の合計で、マスクを外している人は3割弱いるという結果が出ました。

 

 

次に「マスクを外している」と回答した人への質問から外してみて感じたことを見ていきましょう。

これについては男女とも多く選んでいたのが「呼吸がしやすくなった」です。

 

マスクをしていると口呼吸になりやすいことを考えると当然の結果といえます。

 

一方、男女差が多い回答が下記項目。

フェイスライン・顔の筋肉の衰えが気になる

男性:2.8%

女性:17.0%

 

女性の方が約6倍多くあげていました。

メイクやスキンケアなど、女性の方が気にしやすいものもあります。

なので、一概には言い切れませんが女性の方が外見を気にしやすい傾向にあるようです。

 

その他に気になる回答としてはこのようなものがありました。

・歯並びが気になる

・表情にぎこちなさを感じる

 

こちらは割合としては少なかったものの、男女とも選んでいました。

 

最後は、表情への影響に関する調査です。「マスク着用により、顔や口周りの筋肉が衰えたと感じる」という質問に対し、約4割強の人が衰えを感じていると答えていました。

 

続いて「マスク着用により、表情を作る機会が減り笑顔がぎこちなくなったと思いますか?」という質問。

 

3分の1強の人が、笑顔を作りにくいもしくは表情を作りにくいと感じているようです。

 

出典:

マスク緩和前後の行動・意識調査

(株式会社ロッテ)

https://www.lotte.co.jp/info/news/pdf/20230515150407.pdf

 

表情筋の衰えは見た目だけでなく、歯並びなどにも悪影響を及ぼします。

 

衰える原因

次に上記への対策について書いていきます。

コロナ後に増えているのが表情筋の衰えです。衰える原因は、大きく2つ。

 

  • 加齢

表情筋も例外ではなく、年齢とともに少しずつ落ちます。

若い頃は喜怒哀楽などの感情も激しく、表情を作ることも多いでしょう。

しかし、年齢を重ねると感情を表す機会も少なくなります。

結果として表情筋の衰えを招きます。

 

  • 表情を作らなくなる

誰かと会話すると、いろいろな表情をします。

さまざまな表情をすることで顔の筋肉が知らず知らずに鍛えられています。

 

しかし、コロナ禍においてあるものに触れる時間が増えているのはご存知ですか?

 

それは、パソコンやスマホなどのデジタルデバイス。これらを使っているときは、たいてい無表情です。表情を作らなくなると、必然的に表情筋も衰えます。

 

このことで生じる悪影響が下記の3つです。

 

●老けて見られるようになる

※口角が下がるなど、表情がなくなる

 

●皮膚のハリがなくなる

※シワ・たるみの増加

 

●会話の機会が減る

※滑舌が悪くなりやすい

 

そのままにしておくと、歯並びなどにも影響を与えかねません。

 

表情筋のトレーニング

できるだけ衰えを緩やかにするためにも、表情筋のトレーニングは必要不可欠です。

 

顔全体を大きく動かして発声

ストレス発散とたるみ対策になります。

やり方は簡単。「あいうえお」と発声するだけです。

 

1.口を大きく開いて「あ」

2.真横にのばして「い」

3.口をすぼめ、突き出すようにして「う」

4.笑顔で口角を上げて「え」

5.口を縦に大きく開いて「お」

 

※5秒程度キープしながらやってみましょう。

 

 

体力増強トレーニング

表情筋と心肺機能に効きます。

1.空のペットボトル(2L)を口にくわえる

2.思い切り息を吸い込む

3.5秒程度で、息をゆっくり吐き出す

 

1セット3回、毎日2セット(6回)行ってください。

コロナ禍で制限されてきた分、しっかりと表情筋を鍛えて健康を取り戻しましょう!

 

 

それでは!

 

あなたの歯がずっと健康でいられますように。

 

 

PS.

噛み合わせを決定する要素は、表情筋の他には主に2つあります。

  • 上下顎の位置
  • 歯の大きさ

 

そのままにしておくと、食べ物が噛みにくくなる他にも虫歯・歯周病の原因にもつながります。

 

最終的に矯正をするかどうかは別として、こうした問題を発見できるのは定期検診が最適です。

自宅ではセルフケアとエクササイズを行い、歯科では定期検診を有効活用しましょう。

 

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