歯の本数と親知らずの話

目次

あなたの歯の本数は?

あなたは、ご自身の永久歯の本数をご存知でしょうか。
3歳くらいまでに生え揃う乳歯は20本。その後、7~8歳頃に前歯(中切歯)と第一大臼歯が永久歯に生え変わります。

以降は、以下の順番です。

●側切歯(9歳頃)
●犬歯(11~12歳頃)
●小臼歯(10~12歳頃)
※第一・第二
●第二大臼歯(12~13歳頃)

 

左右対称に並ぶので上歯と下歯で各14本あり、合計で28本。

個人差があるものの早ければ小学生までに、遅くとも15歳頃までにはここまでがすべて生え揃います。これらが生え揃ったあとに生えてくる歯が第三大臼歯。

これは親知らず、もしくは智歯と呼ばれており、10歳ごろにアゴの骨の中でその形が形成され10代後半~20代前半にかけて生えてきます。他の歯と同じく上下左右に各1本ずつあるので、正常に生えてくれば4本あります。しかし、現代は食生活の変化やあごに生えるだけのスペースがないなどの理由で生えてこない場合もあるようです。

その他に一部しか生えてこない人、何らかの理由で抜歯するケースも。そのため、人間の口にある歯の本数は「28~32本」というのがその答えです。

 

出典

8020推進財団
https://www.8020zaidan.or.jp/what/count.html

公益社団法人日本臨床矯正歯科学会
https://www.jpao.jp/15news/1525trendwatch/vol11

 

他の永久歯からは遅れて生えてくるため、正常に生えているかどうかチェックしておきましょう。

ちなみに親知らずの状態は、パノラマレントゲンを撮影すればわかります。
目の周囲から下顎までを撮影でき、虫歯・歯周病の状態だけでなく、親知らずの生え方や埋没しているかどうかなどが把握可能です。
親知らずが生えてきたら、検診を有効活用して、まずは歯の状態を把握しておきましょう。

 

親知らずは合計4本

親知らずの本数は、上下左右で1本ずつの合計4本あります。
ただ、親知らずがない方もいれば、レントゲンを撮影して初めてわかる場合も。

さて、親知らずの生え方には以下の4つのパターンがあります。

●まっすぐ垂直に生える

親知らずが生え揃うスペースが十分にあり、まっすぐ生えている親知らずです。
上下ともまっすぐ生えている場合もあれば、上下いずれかという場合もあります。親知らずは歯ブラシが届きにくいため頬側(外側)が虫歯になるケースも多く見られます。虫歯になっていないかどうか歯並びに影響がないかなどのチェックは必要です。

●横向きもしくは斜め

親知らずが横向きもしくは斜めに生えているケースで、下歯に多く見られます。
見える部分が「歯冠」の一部分だけなので、「半埋伏智歯」とも言われます。
そのため、歯垢や汚れが溜まりやすくなります。特に親知らず周辺の衛生状態が悪くなりやすいです。そのため、親知らずによるトラブルがもっとも起こりやすいタイプともいえるでしょう。

●歯茎の中に埋まっている

親知らずが完全に埋まっているもので、「完全水平埋伏」ともいわれる状態です。この場合、虫歯・歯周病の心配は少ないので問題がなければそのままでも心配ありません。ただし、嚢胞(のうほう)と呼ばれる袋状の塊ができる場合もあります。

●逆向き(逆性埋没智歯)

文字通り逆向きに生えたまま埋没している親知らずです。
完全に埋没しているため、虫歯・歯周病の心配は少ないものの嚢胞になるリスクはあります。

親知らずは磨き残しが多くなりやすい部位です。
できるだけ早めに歯科医院でチェックすることを忘れないでください。

 

親知らず抜く?抜かない?

親知らずについて、抜かないでいいケースと抜いたほうがいいケースについて簡単に説明します。
まず、抜かないケースは下記の3つです。

●きちんと機能している場合

噛み合わせに影響がなく、しっかりと機能している親知らずは抜歯する必要はありません。つまり第二大臼歯(7番目の歯)ときちんと噛み合っていれば残しておくわけです。ただし前歯の並びが凸凹している場合、延伸することで歯茎を噛んでしまうリスクがある場合などは抜歯したほうがいいでしょう。

●親知らずが代用できる

治療によって神経を抜いたなど、隣り合う7番の歯が長持ちしないと判断した場合、該当する歯を抜歯して親知らずを第二大臼歯代わりにすることがあります。この他にも義歯をつける際ブリッジや金具をつけられるという
メリットを考えて、智歯周囲炎など周辺の歯に影響を与えない限り、まっすぐに生えていたら抜歯しない選択をすることが多いです。

●現段階で悪さをしていない

たとえばこのような場合は急いで抜歯する必要はないでしょう。
・炎症を起こしていない
・痛みや虫歯がない

ただ、トラブルを起こしやすいので将来的な抜歯は考えておきましょう。

●周囲の歯に悪影響がある

生えかけの親知らずは特に歯みがきがうまくできにくい部位です。そのため、周辺の歯ぐきに虫歯が起こりやすくなります。また歯槽骨は他の歯と共有なので、親知らずがあることで周辺の歯も歯周病になるリスクも高いでしょう。
完全に埋没した親知らずでも、嚢胞になっている場合は抜歯の必要があります。

●予防的措置での抜歯

特に横向きや斜めに生えてきた親知らずは汚れが溜まりやすい部位です。虫歯・歯周病だけでなく智歯周囲炎などの疾患にかかりやすいこともあり、隣の第二大臼歯を守るために抜歯することがあります。なお、親知らずの抜歯後は麻酔が切れると痛みや腫れが起きやすいのは確かです。

その点については、痛み止めの薬を処方するのでご安心ください。

 

 

あなたの歯がずっと健康でいられますように。

 

PS.もし抜くなら早めに

年を取ってから親知らずを抜歯すると骨が癒着しているため抜歯がしにくくなります。また、抜歯後の腫れや痛みがひきにくく治りが遅くなりがちです。
放置しておくと、親知らずで歯ぐきを噛んでしまうことも。早めに検診などで状態を見て、今後の治療方針を決めておきましょう。
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