誤嚥性肺炎の予防方法
厚生労働省の統計によると、
肺炎で亡くなる人は
5番目(男性は4番目)に多く、
誤嚥性肺炎は男女とも7番目に
多いといわれています。
割合にすると
肺炎は7~8%弱で
誤嚥性肺炎が2.5~3%弱なので、
年間で約1割強が
肺炎および誤嚥性肺炎で
死亡する計算です。
80代以上になると
肺炎の割合は格段に上がり、
死因の第1位が
肺炎・誤嚥性肺炎。
そのうち約3割が、要介護の方です。
呼吸をしているとき、
空気は鼻や口から気管を通して
肺に入ります。
その一方、
食べ物や唾液は食道を通して
胃に入って消化されます。
通常は、
気管と食道を分岐する
喉頭蓋(こうとうがい)で
気管に液体などが入らないように
しているのですが、
この機能が低下すると
気管に入ってしまいます。
その際、
一緒に入った細菌・雑菌類が
炎症を起こすことで
誤嚥性肺炎が発症するわけです。
特に、
義歯をしていると
想像以上に細菌が付着しています。
これによって
バイオフィルムが何層にもでき、
除去が困難になるとともに
義歯使用者が誤嚥性肺炎になる
確率が高まるのです。
発生する原因は主に4つ。
●病気による神経反応の低下
●口内にある細菌の増加
●舌などの筋力低下
●免疫力低下
食道と気管を分岐する
喉頭蓋は、
舌によって動かしています。
したがって、
「舌やその周辺の筋力」
をつけることで
誤嚥を防ぐことが可能です。
早口言葉をできるだけ早く
はっきりとした発音で
言ってみる。
舌を前後・左右・上下に
できるだけ早く動かしてみる
など実践してみてください。
免疫力の向上には、
「有害な細菌を減らす」という
考えがあります。
ただ、
それだと有益な細菌(善玉菌)も
なくしてしまうことに。
そこで、
乳酸菌サプリメントなどを使って
細菌バランスを整えていくわけです。
ここで、
忘れてはいけないことがあります。
上記の予防法が役に立つのも、
しっかりとした口腔ケアが
行われてのこと。
虫歯などがあれば
しっかりと治療をすること、
なくても予防ケアを行うのと
行わないのとでは
数年後には大きな差が出ます。
誤嚥性肺炎は
きちんとした口腔ケアが
なされていれば、
予防できる可能性があることを
忘れないでください。
それでは!
あなたの歯が
ずっと健康でいられますように。
PS.
肺炎と口腔ケアの関連性は、
さまざまな研究が
なされています。
口腔ケアをしている人と
していない人では、
2年間の肺炎発生率に
2倍弱の差。
また、
のどの細菌数を比較すると、
5ヶ月後には10倍の差です。
もちろん
セルフケアも重要ですが、
定期検診で行うケアも
しっかりと受ける必要があります。
「定期検診をしておこう」
という方は、ご予約のお電話をどうぞ。