入れ歯ーその大きな役割

歯は丈夫なほうですか?
    自分の歯全部が良い状態に保たれている方にとってはたいして重要ではないように思えるテーマかもしれません。
    でも歯を数本あるいは全部失ってしまって、初めて「歯」の大切さに気がついたという方もいらっしゃるかもしれません。

    歯を失って,入れ歯を考慮しなければならなくなったとき、これは真剣な問題になるものです。
    入れ歯はしばしば、笑い話のタネにもなってきましたが、この状況ではそれは笑いごとなどではありません。

    歯の果たす役割を考えみると「入れ歯」に期待されることがこんなにもたくさんあるのか!とビックリしてしまいます。
    歯の大きな役割は、わたしたちの外見に及ぼすものだけではありません。食物を噛むとき,食物は粉々にされ,細かくされた食べ物は消化液と混じり合い,そこでやっと体は栄養分を吸収することができるのです。ところがほとんど、あるいは全く歯がなければ,どうでしょうか?食物を十分に砕くことができないのです。骨のようにとても硬い歯茎の出っぱりをもってしても、このことをはきちんと行なうことはできません。歯のない人はしばしば、食物をコーヒーや紅茶や何かほかの飲み物で流し込もうとして、消化器系の疾患を抱えてしまいます。体全体の健康に大いに関わっていると言えるんですね。
    歯の役割はそれだけではありません。「話をするとき」のことを考えてみましょう。といっても歯がなくならない限りこの働きについて考えることはほとんどないのですが・・。歯が舌や唇を助けることによって,相手の人に理解してもらえる「音」が出ます。例えば,歯の抜けた人が話すのを聞いたことがおありですか?お気づきになったと思いますが、歯がなければ子音で終わる音をきちんと出すことはできません・・。歯がどれほど大切な役割を果たしているか、分かりますね。

    最近の入れ歯は,このような本来の歯の役割をかなりよいところまで果たせるよう頑張ってくれているようです。
    そうはいっても入れ歯の「頑張り」には限界があるのも事実です。
    例えば本物の歯と人工的につくった「入れ歯」の決定的な違いを無視することはできません。
    本物の歯はその根があご骨にしっかり固定されているので、食物をきちんと噛みきったり、細かくすりつぶすことを難なくやってのけることができます。下の歯は上の歯とでなされるこすり合わされるような強い力での動きに耐えられるじょうぶさを備えているんですね。
    それに対して、入れ歯はは歯茎や歯槽堤という土手のようなものに乗っているだけです。ずれないようにしているのは舌や頬が生み出す力や粘着力などの弱い力にすぎないのです。本物の歯のようにしっかりと固定されていない入れ歯はわりと簡単に動いてしまうという残念な点をそなえています。

    どんなに入れ歯開発が進んで、本物の歯と見分けがつかないほどに見えるものが作られるようになっても、
    本物の歯と同じ性能を持つ入れ歯を得ることは限りなく難しいということですね・・。

    それでも、やっぱり入れ歯の働きは大きいものがあります。
    入れ歯をつければ,起こりかねない消化器系の疾患を防いで、体に必要な栄養をきちんと摂取する助けになるでしょうし,話す能力を改善することにもつながります。
    本物の歯をなくしてしまったことは、残念なことではありますが、それでも大丈夫です。
    かなりの程度まで、満足感を入れ歯によって得ることができるようになっていることに期待を込めてくださいね!