歯周病についての基礎知識

歯科の疾患の中でも、皆さんの多くがご存知なのが歯周病(ししゅうびょう)ですね。この歯周病について、以下に説明したいと思います。まず、歯周病とは、歯肉・セメント質・歯槽骨などから構成される歯周組織に生じる諸々の疾患を指します。主に歯垢(プラーク)に起因する炎症性疾患が多いのですが、歯垢とそれ以外の様々な要因が絡んで生じる疾患もあります。さらに、歯垢が全く関係しない疾患も存在します。そして、これらの疾患への罹り易さや罹患後の進行具合は、人によって異なります。また、歯周病の中でも特に多い疾患は、歯肉炎(しにくえん)と歯周炎(ししゅうえん)の2つです。まず、歯肉炎は、歯肉だけに炎症が起こる疾患で、その多くはプラーク性歯肉炎です。一方、歯周炎は、歯肉以外の歯周組織まで炎症が起きている疾患で、その多くは慢性歯周炎です。ところで、日本では、歯周病かどうかを調べる目安の一つとして、4mm以上の歯周ポケットの有無でチェックしています。あるデータによると、50代の約半数の人に、4mm以上の歯周ポケットが存在していたそうです。また、高齢者になるほど、歯周病の患者の割合が増える傾向にあるようです。ところで、歯周病は、主な原因が歯垢中の細菌なので、感染症の一種と言えます。しかも、罹患者数が最も多い感染症なのです。