口腔外科で扱う主な疾患について

皆さん、口腔外科(こうくうげか)についてご存知ですか。口腔外科とは、顎や口などの部位の外科処置をメインとする診療科のことで、外科の一つであると共に歯科の一つでもあります。従って、医師あるいは歯科医師が口腔外科を担当しますが、日本では、歯科医師が担当するケースが多いようです。この口腔外科では、さまざまな疾患の治療を行っています。そのうちの代表的な3つの疾患について、疾患内容や治療方法を、以下に説明します。1つ目は、顎口腔領域の腫瘍です。これは、顎や口腔の軟組織または骨に生じた良性腫瘍や悪性腫瘍を指します。良性腫瘍の種類には、エナメル上皮腫、歯牙腫、血管腫、線維腫などがあります。また、悪性腫瘍の種類には、癌腫、肉腫、悪性リンパ腫、悪性黒色腫などがあります。このうち、癌腫は、さらに、舌がん、歯肉がん、頬粘膜がん、口底がん、などに分類されます。そして、これらの疾患の多くは、食事の際に必要な咀嚼(そしゃく)・嚥下(えんげ)機能、話す際の発声機能に関わるため、口腔外科では、こう言った機能の温存を図りつつ患部の切除などの処置を行います。2つ目は、顎・口腔などの外傷や骨折です。口腔外科では、事故などによる顎や口腔などの外傷や骨折に対する治療も行います。そして、顎骨などの骨折があると、噛み合せ機能を損なう場合があります。口腔外科では、外傷や骨折を治すことに加えて、噛み合せ機能などの回復にも注力します。3つ目は、顎関節症です。顎関節症では、顎を動かす際に痛む、口を開けられない、などの症状が出ます。口腔外科では、この治療のため、スプリントと呼ぶマウスピースに似たものを口腔内に装着する、関節腔の洗浄を行う、など、さまざまな方法を採っています。