日々の歯ブラシ

私たちがいつもやっている歯ブラシ。どのくらいの時間をかけてみなさんはやっているのでしょうか。

 患者さんに歯ブラシをしたり、ブラッシング指導したりしていました。上手にブラッシングできている人といえばやはり、数的には少なかったです。大抵の人はブラッシングに3~4分、5分もしない様子でした。ただ、中には10~15分磨いている人もいたのですが、そうです、治療にきているということは虫歯になってしまっているのです。

 歯ブラシは時間をかけて磨いていても磨かなければいけないところが磨けていなければ意味がありません。世の中には電動歯ブラシというものがあります。よく聞かれるのですが電動歯ブラシは使ってもいいですか?とかいいものですか?です。もちろんいろいろな種類はありますが、とてもいいものだと思います。ただやはり磨くべきところに毛先があたっていなければどんなにいい電動歯ブラシでも意味を成さないのです。

 歯が虫歯になりやすいところとは、歯と歯の間、奥歯の溝、歯と歯茎の境目、奥歯の目でも見えにくところです。前歯の歯のど真ん中、ここはほとんど虫歯になりません。どんな人でも一番見やすいところであり、磨きやすいところだからです。ブラッシングで気をつけたいのは歯ブラシだけで終わらないことです。糸ようじや歯間ブラシを合わせて使って欲しいのです。

 歯と歯茎はぴったりとひっついていません。歯周ポケットといって必ず隙間があります。ここの中の汚れを掻き出さなくては虫歯になったり歯周炎、歯周病になります。歯ブラシを歯茎に向かって斜め45℃ぐらいに当てます。やさしい力で掻き出すようにブラッシングします。強い力だと逆に歯茎を傷めてしまう恐れがあります。次に糸ようじをつかって歯と歯の間の汚れを取ると同時に歯と歯の間の歯茎の隙間に入り込んだ汚れを掻き出します。これが結構大事なのにあまりされていない作業です。

 歯は一本一本丁寧に磨かないといけません。そうすると自然と歯ブラシの時間は実は15~20分はかかってしまいます。面倒ではありますがお年寄りになっても自分の歯で食事をするということは健康にもつながってきます。わたしはよくお風呂につかりながら歯ブラシしています。そうすることによって歯ブラシに集中もできるし体も温められるしとても効率よく磨くことができます。 

 寝ている間に活動する虫歯菌。せめて寝る前にしっかり磨き上げてみなさんにもいい睡眠をとってほしいものです。