矯正歯科の基礎知識について

近年、矯正歯科治療を行う歯医者さんが増えて来ました。この矯正歯科とは、簡単に言うと、良くない歯並びを綺麗にしたり、良くない噛み合せを改善したりする歯科治療を指します。

ただし、歯並びを綺麗にする為に、歯を削るような事は行いません。矯正歯科治療では、矯正装置を使って歯や顎の骨を徐々に動かすことで、歯並びと噛み合せを良くしてゆくのです。

ところで、歯並びが不揃いだったり、歯どうしが互いに正しく噛み合ってない状態のことを、不正咬合と言いますが、この不正咬合を放っておくと、さまざまな問題が生じて来ます。例えば、食べ物がうまく噛めない、話す言葉が明瞭でなくなる、虫歯や歯槽膿漏になり易い、顎の関節に負担が掛かる、歯が折れ易くなる、口臭の原因になる、と言った問題です。そして、この様に問題の多い不正咬合を治すための治療が矯正歯科なのです。

では次に、矯正歯科で扱っている主な4つの治療項目を、順に説明してゆきます。

1つ目は、歯列矯正治療、です。これは、悪い歯列(歯並び)や悪い噛み合せを、良い状態まで矯正してゆく治療です。矯正装置を歯に付けた状態で、ゆっくり時間を掛けて歯を少しずつ動かすことで、歯列や噛み合せを良くして行きます。
歯列矯正は子供が行う治療、と言うイメージがかつてありましたが、近年では、成人でも多くの方が受ける様になりました。その理由としては、目立ち難い矯正装置になって来た事や、歯並びや噛み合せの大切さについての意識が高まって来た事、などが挙げられるでしょう。

2つ目は、小児矯正治療、です。これは、ご存知のように、子供の時期に行う歯列矯正を指します。すなわち、顎が成長する小学生から中学生の時期に実施する歯列矯正です。小児矯正では、成長期に顎の成長をコントロールしながら歯列矯正が出来ます。それゆえ、理想的な状態の歯列矯正が可能なのです。

3つ目は、裏側矯正治療、です。歯列矯正と聞くと、口を開けると金属の矯正装置が見えるもの、と言うイメージが一般的ですが、矯正用装置を歯の裏側に付ける治療方法もあり、これを裏側矯正と呼んでいます。すなわち、他人に余り気付かれることなく、歯列矯正が出来ます。ただし、装置を歯の裏側に装着する矯正は、通常の表側に付ける矯正と比べると、治療期間が長くなったり、費用が高価になったりするので、事前に確認する様にしましょう。

4つ目は、部分矯正治療、です。歯の隙間が一部の箇所で広がっている、等の場合に、部分的に実施する歯列矯正治療のことです。通常の歯列矯正治療と同様の矯正装置を部分的に使ったり、マウスピース等を使ったりします。